三か月ぶりとなりました・14

いつも当社サイトをご覧いただき、ありがとうございます。
先回の投稿から三か月も空いてしまいましたが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

日本はパラリンピックが開催され、新規感染者数が増加していたのが、一転して減少し、それにより10月に緊急事態宣言が解除されて、少しづつ日常が戻ってきているようですね。

これまでの間、一番「その時」の情報が得られたり、伝えたりが出来るTwitterとか直ぐに投稿できるFacebookとかのSNSを更新することで”満足”していたため、この「お知らせ」投稿をせずに時間が経ってしまいました。

11月に入り、テ・アナウもやっと暖かくなって好天日が続いたので、ゲートルードサドルコースの前半部分、ヴァレーで先始めたマウントクックリリーやお花を見て、レイクマリアンコースの入り口・ガントレーでの山時水汲みに行ってきました。4日深夜には世界各地で観測されたオーロラが我が家から観測出来ましたよ(下画像は一眼レフカメラ液晶をスマホで撮影したもの。実際の画像は動画にして、弊社Youtubeチャンネルにアップします)

 

最初は一人の新規感染者だった

さて、ニュージーランドは先回の投稿後、「たった(今思うと”たった”です)」1人のデルタ株新規感染者が確認されて、直ぐ政府は国全体を警戒レベル4のロックダウン(都市封鎖)に移行しました。

昨年の(ウイルスの種類が違うけど)「成功経験」(それへの海外からの賞賛のプライドもあるのか)からロックダウンをしたものの、デルタ株の感染力は強く、日に日に感染者が増加して行きました。国全体のロックダウンは2週間続き、少し数が落ち着いて新規感染者の発生がオークランド地域に限られてくると、オークランド地域だけロックダウン継続、それ以外の地域はレベル3、やがて2へとなっていきました。

辛いロックダウンから一か月経っても、感染者数減少傾向にならないため、政府は方針を「with Covid(新型コロナウイルスと共存)」に転向し、オークランド地域をレベル3に移行。同時にオークランドより北のノースランド地域や、オークランドの南、ワイカト地域で新規感染者が確認されると各地域での感染拡大状況を見て、各地域のレベルを3に上げて、それ以外の地域をレベル2にするなど警戒レベルを臨機応変に変更して対応します。

そもそも最初のデルタ株感染者がどこから感染したのか、そこからどうやって広がっていったのか。新規感染者の「動き」を追跡する作業が行われ、次々と訪れた場所が掲載され、そこに見覚えのある人たちが検査を受けて、陰性を確認する毎日が続きました。しかし、どうしても感染源が分からない「不明ケース」が出てくること、政府の対策方針転換で「自分も感染するかもしれない」という不安が広がります。

 

なかなか進まなかったワクチン接種からワクチン接種率90%キャンペーン
「接種したらケンタッキーフライドチキンがもらえるよ」

ニュージーランドで使用されているワクチンはファイザー社製一択で、Covid-19(新型コロナウイルス)パンデミックが始まると、政府は迅速な対応力を見せるべく、ファイザー製ワクチンをニュージーランド在住でワクチン接種が必要な12歳以上人口の421万人が2回接種を可能な量、1000万回分を確保し、購入しました。

2月頃からワクチン接種が開始されると、政府は「接種率が低いままでは感染後の重症化を引き起こし、貧弱な医療体制を崩壊させることになる」と再三言っていました。それでも接種は進まず、接種率が低いままでしたが、デルタ株感染拡大をきっかけに接種率が一気に上がっていきます。
政府もwith Covidを元に「出来るだけ早く”日常生活”を取り戻すためには、国民が一丸となって、ワクチン接種率90%を目指そう!」というキャンペーンを開始し、現在も継続中です。

長期間、通常の生活が出来なかったストレスを感じ、一番大事なクリスマスタイムに家族が集まることが出来ないのは悲しいという気持ちでいる人たちが、「With covidでもこの接種率を90%にして、感染に対する免疫がある状況になれば、国内移動や自由な買い物、ジムや美容院にも行けて、結婚式なども出来るようになります」と聞けば、「よし、接種しよう」となります。
こういった政府(首相)の「呼びかけ」に呼応し、”皆で何かを成し遂げる高揚感”も加わってワクチン接種を受ける人たちが予約が取れないほど増えてきました。政府は国を挙げて大々的に「今日はみんなで接種しよう!」というSuper Saturdayも設定して、接種を推し進めます。

このSuper Saturdayの日に接種をさせる方法が、やっぱり「ニュージーランドだよな」と思ってしまいました。ワクチン接種をすると、コーヒー&紅茶、クッキー、アイスクリーム、ソーセージシズル(白パンにBBQで焼いたソーセージを乗せ、ケチャップを掛けたもの)、KFC、ジャガイモ5キロなどが「ご褒美に」無料で貰え、それを知った人々が大挙して接種を受けました。と、こうして説明していても「食べ物で釣って接種を受けてもらう」って、なんだか笑ってしまう状況ですよね。

 

政府から諸政策の発表、その強引なやり方が弊害を生んでしまう

突然のデルタ株感染発生、強い感染力、収まらない感染拡大でウイルスとの共存に方針転換した後、政府からの諸政策について、連日の発表が続き、頭や気持ちが追い付きませんでした。急な警戒レベル4への移行で強く人々の生活を抑制したり、ワクチン接種90%を達成したら始める「信号システム」ではワクチン接種とワクチンパスポート使用せざるを得ない規定にしたり、解雇や移動方法を制限することにしたりという政策があまりにも強引すぎると、反発の声も上がっています。

ワクチン接種について、ニュージーランドだけではなく世界的な動きでもあるのは、ワクチン接種を受け入れる人とワクチン接種を受け入れられない人がいるということです。これについて、それそれ個人が情報を得ながら、個人で判断するという「個人レベル」の内は「それぞれの考え」で収まっています。

ところが、ニュージーランド政府の諸政策は、そこに介入して、ワクチン接種に伴う数々を義務化し、従わない場合は解雇や免職、移動や生活も制限するとしたため、「ワクチン接種をしたくない人たち」への同調圧力が強くなってしまい、無用な軋轢を生むことになっています。
実際、新聞やニュースでも報道されているように、「接種していない人との付き合い、就業はしたくない」と接種済みの人と未接種の人の関係に大きな溝が生まれていることが結構深刻な問題になっています。

また政府は、国境封鎖や海外流出で不足している労働力、現在必要な職種での労働力確保のために「一度限り(One-Off)」の永久権ヴィザ申請規定を発表し、日本人を含む「ヴィザを所持して」ここで生活している人たち、ヴィザ取得に関係している人たちを驚かせました。喜んでいらっしゃる方たちも、この申請を受理、審査する機関のニュージーランド移民局が、ただでさえパンデミックで時短勤務やオフィス閉鎖によるスタッフ数減少で膨大な数の審査が滞っている状態のため、今後について、まだ不安なままでいます。

 

ニュージーランド政府が発表している今後の政策

*11月1日よりニュージーランド入国者はワクチン接種義務化

*11月10日からオークランド地域が警戒レベル3のステップ2へ。現在レベル3のノースランドを12日からレベル2に。11月17日よりレベル3地域で学校の再開

*11月14日から入国時の隔離施設滞在期間が7日間になり、その後9日目の検査までは自宅隔離に

*刑務所スタッフは12月8日までに、医療スタッフと教育関係スタッフは1月1日までにワクチン2回接種を完了させる。守れない場合は直ぐ、もしくはのちのち解雇になる(10月26日発表:カフェ、レストランなどのホスピタリティビジネス、ジム、理髪店、美容院のすべての労働者に4週間以内にワクチン接種を義務付け)

*12月14日からニュージーランド航空国内線搭乗時はワクチン接種証明か出発時間72時間前の陰性証明を提示が必要。国際線搭乗者は2022年2月1日からはワクチン接種証明の提示が必要

*ワクチン2回目接種が90%になると、Covid-19 Protection Flamework (その地域での感染状況に応じた信号機システム)を適用する。オークランド地域は地域内三衛生管理区域でのワクチン接種率が90%になると適用される(11月29日目標)。

上記の政策を見ると、厳しい規定がいくつもあり、日本と比べて、驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ニュージーランドは世界的に見ても、女性の地位も高く、人権を尊重して、おおらかさがある国です。人口が少ないこともあって、必要であれば、国民が驚くほど直ぐに「思い切った政策」に舵取りするフットワークのよさもあり、それが政府への信頼にもなっていて、こういったことに「惚れて」移住した方も多いでしょう。
そういった特長やこの国らしさが、Covid-19パンデミックを境に大きく変わってきているように感じます。

 

国境封鎖で影響を受けている観光や留学、その経済効果を考えると

と、政府に対するいろいろな意見や批判はありますけれども、これら政府の対策もCovid-19(新型コロナウイルス)で国境が封鎖し、国として経済的に大きな打撃を受けているのを出来るだけ早く回復させるべく、先回の投稿でお伝えした Reconnectiong New Zealanders to the worldチャートステップ に立ち返り、これを進行させるためと捉えています。

国内を見ても、未だにオークランドやその周辺の地域の方々は他地域に行くのには制限があって、行くことが出来ません。まずは、一年で一番大切なクリスマスの時期に国内にいる家族みんなが集い、25日を一緒に過ごせるように、その前に集う準備が出来るようにをクリアするために、取り組んでいます。そして、その次は海外からのご家族、さらには海外からのお客さまと段階的に進んで行く途中と前向きに考えています。

私どもも「今シーズンはオンラインツアーでなんとか凌いで」と思っていても、お客さまをガイドし、お客さまと時間を共にすることが出来ないのはとても寂しく感じます。そんな時、”11月からはフィヨルドランドが山歩きシーズン”と思い出したお客さまから「早く行きたいです」、「行けるようになるのを楽しみに待っています」というメールをいただきますと、何とか国境が開くまで踏ん張ろうか、と思います。

もし、皆さまで「国境が開いたら、歩きに行きたい。ガイドしてほしい」という方がいらっしゃいましたら、是非、弊社までご連絡ください。きっと、そのやり取りがお互いの「生きがい」になりますよ。
今回の投稿までに間が空いてしまいましたが、出来れば月1~2回は投稿していくよう鋭意努力してまいりますので、引き続き、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

 


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※ニュージーランド政府 COVID19(新型コロナウイルス)サイト 日本語ページ
※ニュージーランド保健衛生省サイト内、現在の感染者状況ページ
※外務省海外安全ホームページ: https://www.anzen.mofa.go.jp/
※上記サイト内、新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限)ページ: https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html

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