ニュージーランドCOVID(新型コロナウイルス)状況・11

>今回から「COVID-19」を「COVID」と表記いたします。

毎度のことながら、先回のお知らせから二か月半近くもの間が空いてしまいましたが、皆さま、お変わりありませんでしょうか。

二か月前は年始の頃で季節は夏だったのに、3月に入ってからというもの日が少しずつ短くなって、朝晩も冷え込み、季節は秋へと変わりつつあります。それにふと考えれば、ニュージーランド政府が国境を閉鎖して、もう直ぐ丸一年が経ちます。
日本は随分と暖かくなってきて、梅や桜のつぼみがほころんできている良い時期ですね。

 

日本での新規陽性感染数が増大

先回のCOVID(新型ウイルス)状況のお知らせ以来、日本では本格的な冬に入った11月から感染者数が増大し、今年1月には二度目の緊急事態宣言が幾つかの都道府県で出されました。この期間終了日が最初は3月7日までだったのが中々新規感染者数が減らず、延長して21日までになっています。ここのところ一日の新規感染者数が千人以下になりつつも、「日本では毎日、千人もの新規感染者が出ているんだ」と言う印象です。

 

ニュージーランドの新規感染者確認後の対応

それはニュージーランド政府の新規感染者に対する対応への感覚からかも知れません。
ニュージーランドでも毎日「数人の感染者」が報告されておりますけれども、その殆どは入国時の検疫や入国後の隔離施設からの報告となっております。

先回の「市内における新規感染者」確認からずいぶん経った2021年2月、オークランド地域で一家族・3名の新規感染者が確認されました。これを受けて政府は2月14日午前0時から三日間、オークランド地域では警戒レベル3、それ以外の地域では警戒レベル2のロックダウンを決定。この時の短期間ロックダウンは新規感染者の感染元を判明させて、予防策を立てるためのものということで、三日間の内に判明させるよう尽力し、三日後にはオークランド地域を警戒レベル2、他地域はレベル1に下げました。

しかし、またもや2月下旬、オークランド市内にて隔離期間中にもかかわらず、外を出歩いた方が陽性感染と確認され、「外を出歩いて」数々の場所を訪れていたことから感染拡大していると予測し、さらなる拡大を食い止めるべく、2月28日の朝6時から一週間、警戒レベルを3と2に引き上げての4回目のロックダウンをいたしました。

この時はさすがに、あまりにも突然で、期間が長めのロックダウンとあって政府は影響を受ける事業に2020年3月、6月、9月の時と同じように給付金補助を提供いたしました。
そして、ロックダウン中の3月5日、オークランド市内感染が確認されないとし、3月7日から警戒レベルを2と1に引き下げ、その後も引き続き、市内感染者が出ていないとの判断で3月12日から国内全てが警戒レベル1になり、無事に?スーパーラグビーも、アメリカズカップヨットレースも開催中です。

 

それぞれの国の状況は異なるから

ニュージーランド政府のこうしたたった数名の感染者にも関わらず、感染拡大を防ぐべく素早いロックダウンを決定して実行する対応に私ども国民も従い、慣れてきているからなのか、日本の状況を知った時「毎日、千人近くの感染者が出ているのに」と言う感覚になるのでしょうか。
確かに「新規感染拡大を防ぐ」という意味では、ニュージーランド政府の対応は称賛に値し、日本のメディアで「日本政府も見習って、政府主導で素早く決定、実行するべきだ」とか「政府からの給付金申請対応のスピードが遅すぎる」といった意見が度々あがります。

日本は人口がニュージーランドの24倍の1億2千万人、国内に48都道府県があり、それぞれに知事が任務し、都道府県庁があり、その下には市町村があって、そこにも市町村長が任務し、市町村役場がある自治体系で、その間を行き来する書類には「印鑑」が必要で云々かんぬんで他国に比べるとITシステム導入も遅れています。これでは、諸策の決定にも実行にも膨大な時間がかかることはやむを得ません。
また、ニュージーランドの医療保険は日本のような「国民皆保険」ではなく、すでに言われておりますように医療施設は日本よりも数が圧倒的に少なく、設備もスタッフも不足がちです。そんな乏しい医療状況で、もしも新規感染者が拡大し、ICU入院レベルの患者さんが増えたら、たちまち対応できず、医療崩壊を起こすことは目に見えています。だから「早急の感染拡大抑制」が政府対応のネックになります。

こういった「それぞれの国の持つ特質」を考えると「同じ土俵」で比べるのは難しいことだと感じます。常々ガイドしております際、よくお客さまから「ニュージーランドはxxxだし、○○○だから良いよね~、羨ましい」と言われることも同様です。
確かにニュージーランドの良い点を褒められるのは嬉しいことです。でも、だからと言って日本で同じことが出来るのか、できないから「ダメな国」と評価してしまうのは違うように思います。こういった時、私どもはただ闇雲に「ニュージーランドの良い部分を日本に当てはめて、日本を評価する」ような単純な方法ではなく、「それぞれの国の違い」を考えた上で説明するようにしております。

そう考えれば、その国ごとの置かれている政治や経済状況や人口、自治体系を考えて、「最も最善な方法」を模索し、施行していくのがそれぞれの国にとって良い政府のあり方なのではと思います。

<以前、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が自宅からトレーナー姿でFacebookライブ配信で、「直接」国民に呼びかけました。それが大好評だったのを真似したのか、日本の安倍首相が星野源さんの音楽に合わせ、瀟洒なご自宅で小奇麗な服装でワンコと共に、優雅にお茶を飲む光景のSNS配信をしましたけど「自然体ではなく、国民に寄り添っていない」との評価でした。安倍さんの「何かを伝えたい」と言う気持ちは良いことなので、それなら「安倍さんなりのやり方」を周りの方たちと検討して、もっと「賢い」やり方で発信すれば良かったのにと思ってしまいマシタ。>

 

COVIDのこれから

世界でのCOVIDパンデミックに対し、ニュージーランド政府は国民500万人、2回分のワクチンを確保して、2021年中に、取得しているヴィザに関係なく16歳以上の全員に無料で接種予定としております。すでに最初のグループ、航空関係、検疫関係者への接種が始まっており、今後、医療関係者と感染者が出たとされる地域在住の高齢者と持病を患う方々、ご高齢者、そして、一般市民というグループの順番で接種プログラムを進めるということです。

他国でも政府主導の元、様々なワクチン接種対策が取られて行って、これらが功を奏し、世界的に感染状況が落ち着いて来れば、少しづつ国境往来も可能になっていく~との予測になるでしょう。

ただ、ここで思い出してしまうのはCOVID感染が始まった頃、ワクチン開発研究者が完成について「二年、2022年までかかる」と言っていたことです。それが一年で接種開始になり、研究者の皆さまの「一刻でも早く」とご尽力いただいことは理解しても、安全なのかどうか不安になります。実際、ワクチン接種後、体調不良で亡くなられたという報道があったり、それが本当なのかどうかも怪しいらしいという報道もあったり、情報が交錯して不安材料がいっぱいなままでの接種は受けたくありません。ニュージーランドではワクチン接種にたいし、拒否も出来るようですが、それで周りの方にご迷惑をお掛けしたら困るし、と考えがあっちへこっちへと変わります。接種までにはまだ時間がありますから、暫く様子見ですね。

 

ニュージーランド航空とカンタス航空の国際線フライトスケジュール

国際的な往来自由になるのはいつか?を考える時、ワクチン接種状況と併せ、国際線航空会社の発表するフライトスケジュールも参考になります。ニュージーランドの航空会社、ニュージーランド航空は「10月まで」成田ーオークランドのフライトを「週一便で運航する」と発表いたしました。また、オーストラリアの航空会社、カンタス航空も(オーストラリア~ニュージーランド間を除く)国際線フライト運行を10月31日から開始予定といたしました。

つまり、航空会社らは「ニュージーランドとオーストラリアについて”ある程度の往来が可能になる”のは11月以降になるだろうから、10月までは世界の各国と”往来をしない”と判断した」、と見受けました。11月まであと七か月半、その間にワクチン接種により新規感染は収まっていく、という予測なのでしょうか・・・。

この11月までの間、7月には東京オリンピック2020が開催予定ですが、ニュージーランドとオーストラリアの選手たちはどうやって参加するのだろうか、特別機を飛ばすのかな、とも思っています。

いずれにしても、10月までは国境が開かないとして今後のことを考えていかないといけないようです。まだ先は長いです・涙。

 

この二か月

私どもは、12月~1月に国内在住の日本人の方数名が、弊社日帰りハイキングにご参加いただき、久しぶりにガイドを数回ほどいたしました。その合間には個人でルートバーントラックを歩く知り合いの車輛移動を手伝ったり、やはり家族以外の「他人と会話する」のは大事なことですね。

1月下旬から2月は、時々の雨を挟んで晴れが続くらしいという天気の予測から、長年、夏季期間中は繁忙期の仕事でできなかった5つの「庭仕事」をやり切る!というミッションに励み、電動工具がたくさんある時代にもかかわらず「電動工具なし」でやり切りました。電動工具無しは時間が掛かり、身体のあちこちの痛みが出ていますけど達成感は一杯です(笑)⇒ その様子はこちら

やっていると「あれも、これも」で結局五週間強掛かってしまい、電動工具なしで時間が掛かり、身体も酷使するので手・腕・腰の痛みと睡魔でこの「お知らせ」更新も出来ずでした・・・。
それにこの間、山歩きにも何処にも行かず仕舞いでしたから、サマータイム終了前、寒くなる前にはどこかに出掛けたいと思っています。そして、寒くなり始める4月には書類関係をやり、本格的な冬の前に薪ストーブの煙突掃除をして、冬に備えます。

この例年の営業シーズン終わりの頃になると、「毎年、日本に行き、両親や家族に会って、共に生活し、日本で仕事をして、お客さまとご一緒し、日本や世界の各地へ行っていたのに・・・」と思ってしまいます。日本に行けるのが早くて11月なら、先回日本を発ってから二年振りに両親に会うことになります。私どもの両親も80代なので、残り僅かな時間は大切にしたいなぁと思いながらも、中々叶いません。

皆さまの中でもご家族さまと離れていらして同じようなお気持ちの方も多いと思います。離れていると心配が募りますが、これ以上の余計な心配をかけないよう、お互いが事故や怪我、体調に気を付けて過ごしたいですね。

 

今回は久しぶりとあって、長くなってしまいました。
ニュージーランドは少しづつ寒くなり、日本は少しづつ暖かくなって(暑くなり?)と、季節の変わり目故、皆さま、くれぐれも体調にはお気を付けて、お過ごしください。
また折を見て「お知らせ」を更新してまいりますので、呆れずお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

 


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※ニュージーランド政府 COVID19(新型コロナウイルス)サイト 日本語ページ
※ニュージーランド保健衛生省サイト内、現在の感染者状況ページ
※外務省海外安全ホームページ: https://www.anzen.mofa.go.jp/
※上記サイト内、新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限)ページ: https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html

 

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